慢性期脳血管障がい者に対して、コーディネーショントレーニング(COT)の身体的・心理的効果を検討することを目的とした。身体的側面においては、ピボット患側軸、functional reach、ナンバーズタッチ、棒つかみ健側軸、開眼片足立ち健側軸、開眼片足立ち患側軸、障害物歩行の測定項目で著しく数値が上昇した。心理的側面においては、精神的健康度パターン尺度で生きがい度が低く-ストレス度高い「へとへと型」のパターンから、生きがい度が高く-ストレス度が低い「はつらつ型」のパターンへ著しく変化したが、転倒自己効力感テストでは著しい数値の上昇を示さなかった。中枢神経系に障がいを持つ脳血管障がい者においては神経系を主とした一連の運動プロセスをスムースに行うことを支援するCOTは、脳血管障がい者の身体的側面、あるいはそれらを支援する心理的側面において大変有益であると考えられる。(代表者:Takahiro Sato, 共同研究者:Takuya Watanabe, Akito Azumane)