様々な身体運動を実施対象者の特性(障害、体力など)に応じてアダプテッド(adapted)することは、スポーツを含む身体運動の楽しさを享受することは基より、多くの対象者におけるフレイル予防の観点からも重要である。またスポーツは、動きのダイナミックさや速さ、滑らかさ等を競うものに限らず、障害等による動作の制限下においても主体的・能動的に身体を動かそうとする行動も含めた広義な健康増進活動として捉える必要がある。演者はこれまで、脳血管障害者を含む多様な疾患・障害を有する集団におけるスポーツ・フィットネス等の運動支援を中心としながら、約500名の障害者の体力評価、介護予防事業における一次・二次予防対象者と脳血管障害者における体力評価の分析、アダプテッド・スポーツの要素を用いたフィットネスによる身体的・心理的・社会的効果を介入研究によって示唆している。一方でスポーツ的要素は、対象者が主体的に活動できるツールとして有用であるが、過負荷や転倒などのリスクが存在し、それらが起こり得る背景には障害や体力、技術、コンディションなど様々な要因が考えられる。地域の指導・支援者が対象者による主体的な行動・活動を支援する上では、対象者の挑戦する意思や意欲を尊重しながらも、安全で効果的な環境と支援体制を作ることが重要である。本シンポジウムでは、アダプテッド・スポーツの要素を用いたフィットネスによる身体的・心理的・社会的効果を示しながら、スポーツの要素を用いたフレイル予防について、トレーナビリティとリスクマネージメントの両面から考える機会にしたい。