本研究全体の目的は、肢体不自由児特別支援学校・学級における多様な障害を有する児童・生徒に適した体力・運動能力テストの開発を試み、障害児に適した体力・運動能力テストの方法を検証するとともに、障害児の体力・運動能力の特徴と生涯の健康づくりの獲得から競技力の向上等を図るための方策を検証することである。そして、特別支援学校と地域スポーツの連携・協働によるパラスポーツの普及拡大を通じた障害児の健康の維持増進とパラアスリートの競技力の向上を図ることである。本研究(学内公募型課題研究)は、その第1 段階として位置づけ、①肢体不自由児特別支援学校・学級における体力・運動能力テストの実施状況とその課題について調査、検証することを目的とし、全国の特別支援学校および特別支援学級の体育担当教員への質問紙調査(量的研究)およびインタビュー調査(質的研究)を行う。ここまでが本研究の目的および計画である。その後はここで得られた成果を基に、第2段階として、②多様な障害を有する児童・生徒を対象とした新たな体力・運動能力テストの開発に向けて、公益財団法人日本パラスポーツ協会の取り組みで実施したパラアスリートのフィジカルチェックをベースとした体力・運動能力テストを、特別支援学校に在籍する児童・生徒に実施し、特別支援学校と連携したバッテリーテストの検証を行う。さらに得られた成果により、第3 段階として、③特別支援学校に潜在するポテンシャルアスリートの発掘と育成のための道筋(パスウェイ)構築の可能性を提案する。