学部や他の高等教育機関の垣根を超えた活動事例は、今後のアダプテッド・スポー ツ教育の可能性を模索する一事例となり得る。本稿ではアダプテッド・スポーツ科目で ある「アダプテッド・スポーツ基礎実習」の一環として実施したボランティア活動の事 例を示し、今後の課題を検討することを目的とした。 本科目は現代社会学や理学療法学 を専攻している大学生が履修した。 「第31回宮城県・仙台市障害者スポーツ大会陸上競 技大会」でのボランティア活動には、計6団体 (計69名) の学生が参加した。学生は肢 体不自由や視覚障害などの選手を招集エリアから競技スタート場所へ誘導した。 これら の経験は障がい当事者との直接的な交流により具体的なサポート方法を習得し、大会運 営のノウハウを学ぶ機会となった。 今後は学部間および学校間交流の充実、日常生活の 支援方法に関する教育内容の充実、アンケート調査を用いた教育効果の検証を検討して いく必要がある。