本研究は地域在住高齢者における生きがい意識の低下への影響について、社会参加活動、ソーシャルサポートとの関連から検討することを目的とした。その結果、2年後に得点低下が確認された者は、下位尺度1 274名(57.4%)、下位尺度2290名(60%)、下位尺度3 284名(58.9%)であった。ロジスティック回帰分析の結果、下位尺度2では、社会参加活動得点OR:0.884(95%CI:0.778―1.006)、下位尺度3では、社会参加活動得点OR:0.879(95%CI:0.773―0.998)、ソーシャルサポート提供得点OR:0.768(95%CI:0.603-0.977)が生きがい得点の低下の抑制に関連していることが示唆された。社会参加活動に積極的に関わることが前向きに未来を捉えることに繋がり、利他を意識した生活が、自分の存在意義(有用性)に働きかける可能性が示唆された。日頃から、ご近所づきあいやボランティア活動など地域社会との積極的な関与が人生を前向きに考えることに寄与しているかもしれない。(犬塚剛, 植木章三, 吉田裕人, 佐藤敬広, 芳賀博)