地域高齢者における居住満足感の低下を抑制する要因

第77回日本公衆衛生学会総会抄録集

本研究は地域在住高齢者における居住満足感の低下への影響について、生活機能、社会参加活動との関連から検討することを目的とした。宮城県T市3支所に在住する65歳以上の高齢者1014名のうち、平成22年および2012年の「居住地区への意識」に回答した841名（男性153名、女性688名、平均年齢75.2±5.8歳）を分析対象者とした。ベースライン調査時に6点満点者421名（100％）のうち、2年後の得点低下が認められた者は110名（26.1％）であった。社会参加活動OR：0.838（95%CI:0.729―0.963）、老研式活動能力指標OR：0.813（95%CI:0.685－0.964）、のいずれも居住満足感の低下に有意な関連が認められた。日頃、社会活動に積極的に参加し、生活機能も維持するように、介護予防活動や健康づくり活動を行うことは、「安心して住めるまちづくり」に貢献する可能性が示唆された。（犬塚 剛, 植木 章三, 吉田 裕人, 佐藤 敬広, 芳賀 博）