本研究は,地域高齢者の社会参加活動が将 来の認知機能に及ぼす影響について検討すること を目的とした.なお,本研究は第 74 回日本公衆衛 生学会総会(長崎)で報告した「地域高齢者の社 会参加が将来の認知機能に及ぼす影響」の続報で ある.研究対象者の追跡期間を 1 年から 2 年に延 長し,地域高齢者の社会参加活動の認知機能に及 ぼす影響をより独立的に評価した.本研究結果より,社会参加活動を活発に行 うことが地域高齢者の認知機能低下予防に効果的 であることが示唆された.目的を持って外出する 社会参加活動は,運動(歩行)や人と接する機会 を増加させると考えられ,これらが地域高齢者の 認知機能低下予防に繋がる可能性がある. 今後は,基本チェックリストにおける認知機能 関連項目のアウトカム使用適性の検証も必要と考えられる.(吉田裕人,植木章三,犬塚 剛,佐藤敬広,森田清美,芳賀 博)