すべての学校において特別支援教育を行うことが位置づけられて10年が経過し、現在義務教育を受けている児童生徒は、全員が小学校に就学したときから特別支援教育を経験していることとなった。また、その子どもたちを指導する教員にとっても特別支援教育は当たり前のものになり、障害のある子どもへの指導力、特別支援教育の考え方を反映した学級経営能力を有することは、教師の専門性として不可欠となりつつある。
本稿では、本学教育学部「特別支援教育総論」の講義で行ったアンケート調査を元に、教職志望学生の特別支援教育に関する経験や理解の状況の一端を分析するとともに、今後、彼らに求められる特別支援教育の専門性について考察した。
第2章 調査研究 総p.142 pp.75-88