冒頭より引用
1.はじめに 多様性の現状
令和2年~3年にかけて聴覚障害をテーマにしたテレビドラマや映画が多数放送されました。「王様ランキング」は聴覚障害があり話すことができない王子様を主人公としたアニメです。半年間にわたって放送されました。読唇術を使い家臣(家来)の話を読み取り、一部の友人や家臣とは手話でコミュニケーションします。主人公には台詞がありませんでした。「ファイトソング」は主人公の清原果邪さんが耳の病気で突然全く聞こえなくなるという話です。成人後の中途失聴ですので手話のシーンは一切ありませんが、音声自動認識(UDトーク)がやたらと出てきます。恋人からの愛の告白もUDトークでかなりの長い時間を割いての放送でした。聴覚障害者はこのような機器も使ってコミュニケーションをしているということを広くしらしめたドラマでした。「しずかちゃんとパパ」は笑福亭鶴瓶さんと吉岡里帆さんが親子を演じたNHKのドラマでした。鶴瓶さんは聾学校を卒業して写真館を経営しているという父親。吉岡さんはCODAという設定です。回想シーンでは聾学校の発音指導や読話のシーンがあり、CODAの人が経験する「あるある話」(身振りや表情が大きいなど)がたくさん出てきました。このドラマでも、音声自動認識(NHKなので特定メーカーUDトークではなく、架空のアプリでした)を使ってタブレットで父親と話す娘の恋人が出てきました。聴覚障害のある人の情報保障の1つに音声自動認識システムがあるということが普及してきた印象を受けます。
また、「しずかちゃんとパパ」の放送が日曜夜の22時から放送後、同時期にBSTBSでは「オレンジデイズ」を再放送していました、これは平成16年に放送された北川悦吏子さん脚本、柴咲コウさん主演の手話をテーマとしたドラマでした。日曜日の夜に続けて2時間超各種小貝、手話をテーマとしたドラマが放送されていたということです。
(講演で話はしませんでしたが、令和4年秋②法そうされたドラマ「silent」、令和5年1月から放送されている「星降る夜に」でも音声自動認識システムによるコミュニケーションのシーンがたくさん出ています。)