はじめに
聴覚に障害がある子どもと話をしていると、「こんな言葉・・知らないのか」「正しく覚えていないのか」と感じることがあります。身近なものですと、「ホチキス」「分度器」「コンパス」「クリアファイル」「延長コード」「(調理に使う)ボウル」「エスカレーター」・・・等。日常的に目にするものであれば「モノの名前」はしっかりと指導しておかねばなりません。
この際、手話、指文字、発音サインやキュード・スピーチ、読話、文字、空書、そして音声を総動員しての指導が大切です。
近年は人工内耳や性能のよい補聴器を装用し、聴覚活用だけで大体の言葉を誤りなく吸収することができる子どももいます。しかし、聾学校に在籍する重度の聴覚障害がある子どもは必ず受容の過程で取りこぼしや誤学習が生じます。
本稿ではこんなことは知っていて当然という思い込みはできるだけ排除して「もしかしたら分かっていないかもしれない」と確認することの大切さについて述べたいと思います。