はじめに
本来であれば2年間8回の約束で引き受けたこの連載ですが、私の力では「聴覚障害教育の専門性」を予定されていた分量でまとめきることができませんでした。もうしばらくお付き合いください。
さて、この4月から聾学校で子どもを教えることになった先生方の中には、聴覚に障害がある子どもに初めて接することになったという人も多いのではないかと思います。
聴覚障害というのはどのような障害なのか。これまでイメージしていたものとの違いを実感した方もいることでしょう。サリバン先生が苦労した、ことばを教えることの難しさ(図1)を感じた方もいることでしょう。
聞こえに障害があるということは、物音・呼びかけに気付かないだけではなく、具体的に、生活する中でこのような不便さがあるものだということを実感する場面もあったことと思います。どうかその「気付き」を大切にしておいてください。それが、のちに子どもの指導に役立つことになると思います。