はじめに
最近、授業中の口声模倣(こうせいもほう)を目にする機会が減った気がします。補聴器等の性能がよくなり、子どもが聞き取っている(と感じられる)場面が多くなってきたことは事実です。また、手話によって話の内容を子どもが捉えているので、あえて流れを止めてまで口声模倣はしなくてもよいのでは・・・ということもあるのかもしれません。
私は授業で「口声模倣は、いつでもどこでもできる、しかも教材の準備が不用な、大変有効な言語指導法です」という話を学生に伝えています。
口声模倣は初めて耳にすることば、知らなかったことばを獲得するためにも効果的な指導です。さらに書きことば定着のために、誤って覚えている音韻表象(音数やつづり)を確認し修正することも可能です。
本稿では、口声模倣とは何か、何のために行うかということをお伝えしたいと思います。