はじめに
今回は令和5年度一回目の連載ということですので、今春初めて聾学校、聴覚支援学校に着任した先生、聴覚障害教育に関わることになった方に向けて、我が国の聾学校について述べていきたいと思います。
この春大学を卒業して、初めて教壇に立った先生の多くは平成19年、新品のランドセルを背負って入学式を迎えた方たちです。 つまり、実際に「特殊教育」「特殊学級」「盲学校」「聾学校」「養護学校」を経験していない世代ということになります。
1 聾学校は何校あるのですか
私が答えに窮する問題です。「100校程度」と回答すると、「正確な学校数をお願いします」と再質問が来るからです。
聾学校は各自治体にたくさん設置されている訳ではなく、県によっては数校、中には1校だけというところもあります。それなのに大学生に聴覚障害教育を教えている者の答えが、「100校ちょっと」・・では、質問する方が不審に思うのも当然のことです。
特別支援教育がスタートしたのは平成19年、今から17年前のことでした。