著書

基本情報

氏名 大西 孝志
氏名(カナ) オオニシ タカシ
氏名(英語) Onishi Takashi
所属 教育学部 教育学科(初等教育専攻)
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

書名

『高等学校の通級による指導~個別最適な学びと校内体制づくり~』

著書担当区分

共編者( 共編著者)

原著者

大西孝志 首藤啓美子 中川正規

概要

平成19(2007)年の改正学校教育法の施行に伴い、すべての学校において特別支援教育が行われることになりました。現在、特別支援教育が掲げる「一人一人の教育的ニーズに対応した指導」は、幼稚園、小・中学校、高等学校等に浸透し、それぞれの学校で体制が整備されています。
 また、平成26(2014)年1月、我が国は「障害者の権利に関する条約」を批准し、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のために、これまで以上に特別支援教育を充実させていくことを明確に示しました。そのためには、子どもの様々なニーズに対応するため、多様な学びの場として、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校それぞれの環境整備の充実を図っていくことが大切です。
 一方、高等学校における特別支援教育の体制整備に目を向けると、教育課程の弾力的な運用や学校設定科目による個に応じた指導の対応はできるものの、従前は通級による指導を行うことは出来ませんでした。また、小・中学校の特別支援学級のように「特別の教育課程」の編成が行えないという、制度上の限界があり、高等学校の教育課程の枠の中で、個別の教育的支援が必要な生徒に対して、どのように個に応じた指導を提供していくのかということが大きな課題となっておりました。
 平成5(1993)年に小・中学校において制度化された 「通級による指導」は、30数年の時間を経てその内容の充実が図られてきました。この間、指導を受けている小・中学校の児童生徒は12,259人から201.005人へと約16倍に増えました。
 対象となる障害種は、平成17年度までは言語障害の児童生徒が約8割を占めていましたが、特殊教育から特別支援教育への転換期と前後して、「学習障害」及び 「注意欠陥多動性障害」が加わり、また、それまで「情緒障害」に含まれていた「自閉症」は新たな対象として区別されることになりました。 現在は、自閉症、情緒障害、学習障害、注意欠陥多動性障害といった発達障害の児童生徒の割合が急増し、それらが通級による指導の76%を占めています。
 平成30(2018)年度からは高等学校及び中等教育学校の後期課程においても通級による指導を実施することが可能になり、高等学校段階の発達障害等の生徒及び保護者にとって、障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服することを目的とする自立活動の指導には大きな期待が寄せられています。

 私は仕事柄、いくつもの高等学校を訪問させていただいたり、高等学校で特別な教育的支援を必要とする生徒の指導に当たられている先生方と情報交換する機会があります。コロナ禍以降はオンライン会議システムを活用して定期的に情報交換する機会も得ました。各高等学校において手探りの状態から特別支援教育を行っている事例、先進事例を仕入れて自校にに取り込んでいる先生、特別支援学校での経験を生かしてソーシャルスキルトレーニングの手法を取り入れた授業、校内職員の理解を少しずつ取り付け全校体制で特別支援教育を進めた学校・・・等々。
 彼らの実践に学び、強く感じることは高等学校においても小・中学校同様特別な教育的支援を必要としている生徒は必ずおり、高等学校において特別支援教育の体制整備を充実させることは重要な教育課題であるということです。
 本誌では、高等学校において特別な教育的支援の必要な生徒の指導に当たっている学校・担当者の実践事例を紹介したいと思います。

発行所

ジアース教育新社

発行年月

2026/03