2015年4月~2020年3月。最澄・空海・円仁・円珍を主な対象に、9世紀以降の仏教的世界観(三国観)の構築・拡大の諸相と意義とを、梵語(悉曇)を主とした〈異言語〉受容の側面から捉え直す。具体的なアプローチとしては、
① これまで各専門分野(国語学・仏教学・日本史学…)にて個別に評価される傾向にあった9世紀の梵語(悉曇)受容の意義について、俯瞰的・綜合的視点からの再評価を試みる。
② 上記①の成果をふまえて、当該期の異言語間における思想的言説伝播構造の一般化を図る。
③ 仏教的真理獲得および仏教的世界観構築の具体相を〈異言語〉受容という側面から分析することで、教学・政治思想とは異なる思想史的立場から当該期の仏教文化受容の意義を提示する。
の三点を見込んでいる。