(報告発表)八世紀の伝記における君臣関係
日本文学協会第26回研究発表大会(於, 仙台市青葉区・東北大学川内文系キャンパス)
藤原仲麻呂が理想視する君臣関係の具体像を『藤氏家伝』における鎌足・武智麻呂の人物描写から抽出することで、仲麻呂が数々の政敵との対抗上打ち出した、天皇家との不二一体の関係性を保証する政治イデオロギーの一端を明らかにした。また、比較対象として思託『延暦僧伝』所収の藤原不比等の伝記(政事居士伝)等の資料との比較を通じて、仲麻呂の理想視する君臣関係と仏教者の理想視する君臣関係との間の思想的距離を明らかにした。