(報告発表)奈良時代の仏典注釈書における『外典』の一様相
第525回古代文学会例会(於, 東京都新宿区・神楽坂エミール)
法進『威儀経疏』には外典、特に中国固有の忠孝観や礼教観念を援用した註釈の存在が目立つ。本報告では『威儀経疏』における「外典」を援用した註釈の事例を紹介することにより、内典(仏教経典)と外典の双方に通じることを理想視する『霊異記』編纂者景戒の認識の普遍性を確認すると共に、『威儀経疏』の実践を通じて実現するとされた理想的唐仏教の内実について考察を行った。