「二〇一一年度発表会 月例会 一〇月例会 『日本霊異記』における成仏観の特質 ―― 「人家家」概念を手がかりに――」
『年報日本思想史』第11号(東北大学・日本思想史研究会)
本報告では、奈良時代末期から平安時台初期にかけて成立した『日本霊異記』の編纂者・薬師寺僧景戒の救済観(特に成仏観)について、下巻三十九「智と行と並び具はる禅師、重ねて人の身を得て国皇の子に生るる縁」に見える「人家家(にんけけ)」という概念に焦点を当てて明らかにすることで、その同時代的意義を明らかにしようと試みた。52‐54冨樫進・村上麻佑子