日本思想史研究者・村岡典嗣(1884-1946)が昭和20年(1945)に執筆した講義ノート『古事記講義(序文)』(東北大学史料館蔵。以下『講義』)の解題、及び翻刻。「解題」では『講義』の体裁及び内容構成を概観し、村岡の他の論文と『講義』との関わりについて言及した。『講義』は本居宣長『古事記伝』をはじめ数多くの文献をふまえた内容であるが、とくに彼の私淑した文献学者バジル・ホール・チェンバレン『英訳古事記』及び東北帝大教授時代の同僚であった山田孝雄『古事記講義序文』からの影響が顕著である。
「解題」及び講義ノート本文「古事記開講に当りて」の部分の翻刻を執筆。総p.85-107,pp.85-92