奈良期の国家仏教の具体相とその展開を分析。唐への留学経験をもち、漢訳護国経典『金光明最勝王経』将来者として有力視される道慈の学問に象徴される、道教との親和性を強く持ち、脱俗的傾向の強い8世紀前半の国家仏教と、法進や空海・石上宅嗣らの学問に象徴される、儒教との融合により世俗的性質を強化した8世紀後半の国家仏教との間に、質的な変化が存在することを指摘する。
奈良時代後半期における儒仏一致観形成――法進『沙弥十戒并威儀経疏』を画期として――, 総p.289, pp.193-223
山口敦史, 渡部亮一, 関口一十三, 保坂秀子, 津田博幸, 山本大介, 冨樫進, 藤本誠