修士論文をもとに、心理学的手法である評価グリッド法を用いて入院患者30名を対象にインタビュー調査を行い、療養環境についての入院患者の認知を明らかにした。患者が病室を評価する際には、物理的に仕切られた一つの部屋だけでなく、その部屋に入室している期間の自分の行動範囲内の全ての環境要素を総合的に評価していた。設備の充実は患者が容易に活動できるだけでなく、自由に活動できるという心理的な評価も与えていた。同じ環境であっても患者自身の身体的・心理的状態によって評価は変化した。
p.37-47
渡邊生恵、柏倉栄子、 杉山敏子