関東・東北地方12病院に勤務する看護職者4046名を対象に縦断研究デザインによる自記式質問紙調査を実施し、追跡調査に回答した634名を分析対象とした。看護師の職務満足度を高めるためには努力報酬不均衡状態の是正と、オーバーコミットメントを防ぐ必要性が示唆された。また努力報酬比とオーバーコミットメントの交互作用項が職務満足度を高めており、「報われたい」という感情から仕事に没頭し得られる高揚感が、職務満足度の高さとして現れている可能性が考えられた。加えて、疲労蓄積度の増大は努力報酬不均衡状態よりも、仕事への過度の傾倒により招かれることが明らかとなった。
(共著者:佐藤 みほ、渡邊 生恵、朝倉 京子)