入院患者の療養環境の認知について、年齢による違いを明らかにした。20・30歳代では評価項目数が最も多く自分の環境に関心が高いと考えられた。また「一人のスペース」が評価項目として挙がっているものの、他の年代で挙がっている「部屋全体の広さ」は挙がっていなかった。一方「多床室」について、同室者の状態によって、肯定的な評価も否定的な評価も挙げていることから、同室者がいることを好まないわけではなく、一人のスペースが保たれ、楽しく、問題に巻き込まれずに過ごせる環境を求めていると推測された。60・70歳代では、「気兼ね・気遣い」は挙がっているものの、他者を「気になる」とは挙げておらず、自分のことよりも他者への配慮を重視していると考えられた。
(共著者:渡邊生恵、柏倉栄子)