本研究では,東日本大震災以降に被災地を離れた被災高齢者を対象に,移住先の市町村社会福祉協議会の支援者が行う具体的な生活支援の内容を明らかし支援のプロセスを分析することを目的とした.2 つの市町村社協の職員 5 名にインタビューを実施し,質的記述的研究デザインにより分析した.その結果,165 のコード,42 のサブカテゴリー,12 のカテゴリーが生成された.さらにカテゴリーを時系列に整理し,{地域福祉活動の実践と災害対策} {移住者のニーズの把握} {交流と共感性の醸成} {安心して過ごせる居場所づくり} {自分らしくともに生きる地域づくり} の 5 つのコアカテゴリーを生成し,移住した被災高齢者に対する支援のプロセス図を作成した.これらの結果から,被災高齢者に対する移住先での生活支援は,平時から地域に根差した地域福祉活動を基盤とし,地域組織化活動の中で被災高齢者同士ひいては住民が主体となる居場所づくりが重要であることが明らかになった.
pp.77-92
小野寺悦子、石附敬