特別養護老人ホーム(特養)を含めた介護サービス提供事業者の抱える問題の一つに、利用料金の未払い問題があるが、その実態は十分には把握されていない。本研究では、東北6県の全特養を対象に郵送アンケート調査を2018年度と2022年度の2回実施し、未収金の発生状況、発生事例の特徴、対応状況について把握した。結果、東北地方の特養の約半数が未収金問題を経験しており、またその額は一部の施設で高額化している状況が判明した。原因の中心は金銭管理をしている家族の生活困窮や金銭の使い込みであり、この問題に対して、生活相談員が中心的な役割を担っていた。さらに、7割以上の特養が未収金問題が発生した時の相談先がないという現状も明らかとなった。今後,家族に対する支援の視点を含めた施設内外の支援体制の構築を進めていくことや、その際に生活相談員を中心とした施設ソーシャルワークの強化が重要と考えられた。