その他

基本情報

氏名 石附 敬
氏名(カナ) イシヅキ タカシ
氏名(英語) Ishizuki Takashi
所属 総合福祉学部 社会福祉学科
職名 准教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

新型コロナウイルス流行下における相談援助実習の教育効果―形態の異なる2年度の実習の比較による検討―

単著・共著の別

その他(発表学会等)

発行又は発表の年月

202210

発表学会等の名称

日本社会福祉学会第70回秋季大会(関西福祉科学大学)

概要

本研究は、新型コロナウイルス感染拡大期に実施した2020年度(全面学内型)と2021年度(学内・現場の混合型)の実習に対する学生による自己評価の比較を通じて、非常時下に実施した相談援助実習の教育効果について検討することを目的とした。
 両年度共に、Webアンケート調査を実施した。2020年度は学内実習に参加した学生210名を対象として12月に(回収数151、回収率73.9%)、2021年度は実習を終了した227名を対象として実習終了1か月後を目途に順次実施した(回収数126、回収率55.5%)。
 研究の視点として、第1に全面学内実習と学内・現場の混合実習の学生への教育効果の違い、第2に学生の学びの自己評価、実習満足度や実習後の学びの意欲に関連する要因と、それらの関連性が実習形態によって異なるのかに焦点を当てた。両調査に共通する変数である、①実習から得た社会福祉の仕事へのイメージ、②学びの自己評価3)、③実習満足度、④ワークエンゲージメント(以下、WEと記す)4)を分析に用いた。分析方法として、①福祉の仕事へのイメージ、学びの自己評価(21項目の平均点)、実習満足度、WE(14項目の平均点)について、両年度の比較をt検定で実施した。②学びの自己評価21項目のうち、2020年度に「とても」と「ある程度」を含む「理解できた」と回答した人の割合が65%未満の8項目を相対的に評価の低い項目と設定し、2021年度の結果とカイ二乗検定により比較した。③年度別に、4つの変数の単相関をSpearmanの相関分析により求めた。
 全面学内実習と混合型実習の比較では、福祉の仕事へのイメージ、学びの自己評価、実習満足度について混合型の方が高い効果を示していた。また、全面学内実習では低い評価であった学びの自己評価の項目の多くが、混合型では高い評価を示していた。これらの結果は、ソーシャルワークの現場で学ぶことの重要性を示すものである。今後はこれらの調査結果を通常期の実習と比較し、代替実習の教育効果の明確化と非常時下における効果的な実習方法について検討することが課題である。