その他

基本情報

氏名 石附 敬
氏名(カナ) イシヅキ タカシ
氏名(英語) Ishizuki Takashi
所属 総合福祉学部 社会福祉学科
職名 准教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

「特別養護老人ホームにおける利用料未払いの現状と対応」

単著・共著の別

単著

発行又は発表の年月

202006

発表学会等の名称

日本老年社会科学会第62回大会報告要旨号『老年社会科学』42(2),180.

概要

<目的>特別養護老人(特養)ホームにおける,利用料未払いの実態と対応状況と施設ソーシャルワーカーである生活相談員の役割を明らかにすること.<対象と方法> 2019年2月~3月,東北6県全特養(699)を対象に匿名の郵送法による質問紙調査を実施(333施設、回収率48%).調査項目は,未払い金(2か月以上の滞納)の現状,対応と予防の取り組み等を含む.本報告では,数量データの単純集計結果,自由記載のカテゴリー分類の結果を提示する.東北福祉大学研究倫理委員会の承認を受けた上で実施した.<結果>42%(141)で未払い金が発生,中央値は365千円(最高約3百万円)であった.金銭管理形態で最多は,「利用料は本人の年金や預金で賄い、金銭管理は家族」(67%),次いで「利用料の一部を家族が負担し、本人の金銭管理は家族」(38%).原因は,「家族の経済困窮」(70%),「家族による利用者の金銭の使い込み」(58%)が多かった.対応について,外部に相談できる機関がないと72%が回答し,対応する職種は生活相談員(58%),事務職員(53%),施設長(47%)の順であった.生活相談員の役割は,「連絡調整」「契約時の説明」「本人や家族の状況把握」「個別の状況に合わせた対応」などが抽出された.<考察および結論>東北地方の特養の4割が現入所者の利用料の未払い問題を抱え,原因の中心は金銭管理をしている家族の生活困窮や金銭の使い込みである.今後,家族に対する支援の視点を含めた施設内外の支援体制の構築を進めていくこと,その際に施設ソーシャルワークを担う生活相談員の役割が重要である.(本研究は、科学研究費補助金(課題番号18K12972)の助成を受けた)