学習指導要領の改訂に伴い,観点別学習状況の評価の観点が,すべての教科で共通となり「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点となった。それに伴い,学校現場では,観点別学習状況の評価についての教員の共通理解,子どもや保護者への説明,評価規準の設定,観点別学習状況の評価を生かした授業実践が行われている。3観点のうち,とりわけ「主体的に学習に取り組む態度」の観点については,従前の「関心・意欲・態度」の観点との共通部分と異なる部分を理解しながら,新たに加えられた「粘り強い取組」「自らの学習を調整」するという二つの側面については,何をどのように,どんな規準で評価していくかということが大きな課題である。また,観点別学習状況の評価を行うに当たっての課題も,以前から指摘されていた。本稿では,これらの課題について考察するとともに,子どもや保護者への説明責任を果たす必要がある学校現場での取組について紹介をする。