酒田市立琢成小学校は,酒田市教育委員会委嘱研究の指定校として2年間にわたり「確かな学力を身に付け,すすんで学び合う子どもの育成」というテーマで研究実践を重ねてきた。この研究では,学力向上をめざし,授業改善とともに,単元末に子どもたちの実態に応じて「評価問題」を作成するという実践も含まれている。教師の問題作成能力を高めることや教材研究力を高めることにもつながる研究でもある。
琢成小学校では,単元末などの評価問題を「わくわく問題」と称して,子どもたちに提示し,学習意欲を高めながら「考えさせる」という場面をつくっている。。
2020年1月の公開では,子どもたちに適度な学習抵抗を与え,子どもがじっくりと考える場面が見られ,学習意欲を高める工夫がなされていた。
本稿では,子どもに「考えさせる授業」をつくりだすためには,どのような視点があり,どのような実践を積み重ねていくことが大切であるかを,平成30年度から令和元年度までの2年間にわたり,酒田市立琢成小学校の校内研究への指導助言者としてのかかわりを通して論ずる。