その他

基本情報

氏名 戸田 恭子
氏名(カナ) トダ キョウコ
氏名(英語) Toda Kyoko
所属 健康科学部 保健看護学科
職名 講師
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

母性看護学「さかのぼり」授業の試みに関する研究 -新生児看護の学びに焦点をあてて-

単著・共著の別

共著

発行又は発表の年月

201608

発表学会等の名称

第26回 日本看護教育学学会学術集会で発表(京王プラザホテル東京)

概要

【目的】 看護学生は疾病や障がいのある対象者を理解することに抵抗はなく、正常に経過する母性看護の対象者を理解することに違和感や戸惑いがあると発言することがある。このような学生の現状から、母性看護の対象者理解を促す教育方法の開発が必要であると考え、「さかのぼり」授業による新生児看護の学びを考察し、教育方法について検討することを目的とする。本研究における「さかのぼり」授業とは、看護の対象者の経過を現在からさかのぼり、正常から逸脱した新生児の看護から始まり、妊婦の看護を最後に取り扱う援助論の授業である。
【方法】 研究協力者は、母性看護援助論を履修した4年次および3年次生である。成績確定後に、研究目的・方法・倫理的配慮等について文書を用いて説明依頼し、同意書への署名をもって協力の同意を得た。データは「さかのぼり」授業を行った3年次生と、行っていない4年次生が「対象者とその看護について考えたこと」を授業の最後に振り返りを記載した学びの内容とした。また、対象者の経過をさかのぼって展開した授業の構成と内容の理解状況について、インタビューにも同意が得られた2人に半構成面接を実施し、録音データから逐語録を作成してデータとした。授業の振り返りシートの内容とインタビューによるデータは質的帰納的に分析した。なお、所属の倫理審査委員会の承認を得て研究を行った。
【結果】 3年次生61名、4年次生58名の協力を得た。学生の振り返りシートの全168文の内容とインタビューによるデータは簡潔な表現に変換しコードとし、それぞれ類似したコードを統合して《サブカテゴリ》とし、サブカテゴリを統合して【カテゴリ】とした。振り返りシートより新生児の看護について、3年次生は【正常と異常の判断の難しさと重要性】を感じ《観察が重要》《その場での判断が大事》であると考え、【学習の必要性】を実感し【学習への意欲】を表現していた。4年次生は【学習の必要性】は感じていたが【学習内容の理解への困難さ】が表出されていた。また、3年次生のインタビューでは、対象者の経過をさかのぼって展開した授業構成は【違和感や戸惑いが無かった】、内容の理解状況は【対象者がイメージしやすかった】であった。
【考察】 母性看護学において正常から逸脱した新生児への看護を先に学ぶことは、学生の対象者理解を促す教育方法の一つとなる可能性が示唆された。
p175
戸田恭子、浅川真由美、三澤寿美