運動誘発盲を用いて、標的が主観的に消失する状況と物理的に消失する状況とを設定し、標的の消失事象が主観的に生じたものか、あるいは物理的に生じたものかを区別する情報源の弁別機能について検討した。その結果、標的刺激を突然消失させた場合に比べて、標的の輝度を徐々に減衰させた場合に主観的消失と物理的消失の区別が困難となった。特に輝度減衰の時間幅が200-600ミリ秒のときに主観的消失と物理的消失の混同が強まることが分かった。
総p.7, 39(4), pp.192-198
河地庸介、柴田理瑛、今泉修、行場次朗、松江克彦