東日本大震災後の保育現場では、「落ち着きがない」「敏感」「不安」といった子どもの特徴が報告されてきた。著者らが2017年に実施した保育士・放課後児童支援員への調査では、沿岸部において「落ち着きのなさ」に関する記述が有意に多く、震災後出生児にも同様の特徴が認められたことから、養育環境の影響が示唆された。2019年以降、著者はMEPARを用いて0〜72か月児の発達評価と支援を実施してきた。その結果、運動や言語機能の改善後に特定保育者への攻撃行動が顕在化する事例がみられたが、愛着形成に焦点を当てた支援により安定化が確認された。これらの知見は、災害後の乳幼児支援において、発達機能だけでなく愛着や家庭環境を含む多層的要因を統合的に捉える必要性を示している。