本研究では、放課後児童クラブにおいて放課後児童支援員が児童についてもつ「気になる子ども」 という印象について、災害後中長期における、気になる子どもの行動チェックリスト(Behavioral Scale for Difficult Child after Disasters: BSDCD)(柴田・平野・西浦・足立、2019)を用いた調査を行っ た。その結果、保育士を対象とした先行研究では衝動性、多動性、共感性、愛着不全性、生活リズム 不安定性の5因子であった因子構造が、衝動性、生活リズム不安定性、愛着不全性の3因子となった。 回答者に発達特性(気になる/気にならない)を尋ね、BSDCD尺度得点とその下位尺度得点、性別、 学年を説明変数とする二項ロジスティック回帰分析を行ったところ、BSDCD尺度、衝動性尺度、愛着 不全性尺度に有意なオッズ比が認められた。以上の結果は、東日本大震災後、中長期に現れた学童期 の気になる子どもという印象について、特に衝動性と愛着不全性といった要因が強く関連しているこ とを示唆するものであった。