東日本大震災から 2年以上が経過した現在においても、宮城県における被害の全貌は必ずしも明らかとなっていない。本稿では、宮城県の人的被害、物的被害の最新データを紹介しながら、著者等の心理支援活動について紹介する。被災者に共通して言えることは、彼らが他の被災者と異なる体験をしていることに強い罪悪感を有し、その罪悪感のために自分の体験を語ることを躊躇することである。今後PTSDの予防や治療にあたっては、被災者の持つ罪悪感にも触れる必要があることが重要であると考えられる。
pp.92-97
足立智昭、平野幹雄、柴田理瑛、橋本和典