本研究では、東日本大震災において津波の被害が顕著であった三県(岩手・宮城・福島)における子どもの心身症状の変化について、養護教諭を対象とした質問紙調査を行った。その結果、沿岸地域では内陸地域よりも心理的反応に関する症状が多く見られたものの、2015年度では2011年度よりも心理的反応に関する症状が低減していることが示された。一方で自由記述の分析から、2015年度も身体面では運動不足が解消されていない地域があること、発達障害に類似した行動が増えていることが示された。
柴田理瑛、平川昌宏、西野美佐子