本研究の目的は、超重症児の教育的支援と評価について、体験・体感する教材の提示である。教材は二種類からなる。一つ目は「反応がない」とされる実態は、係わり手が「反応に気づきにくい」「不随意でランダムな動作」と判断している状況であり、観察や分析方法の工夫により把握・理解できることを体験・体感する教材である。二つ目は、超重症児の覚醒や情報入力・出力に関して、生理学的に推定されるメカニズムをもとに試作した状況モデル 教材である。超重症児は「反応がない」のではなく、脳機能障害のために「反応したくてもできない」状況下にあることを「閉瞼困難」場面を想定し、逆説的に体験・体感するものである。これらの教材は、超重症児の理解を促す授業構成に資すると考えられる。