日本大震災被災県血友病患者の震災体験と災害時ネットワークの調査記録である。対象者は、東北地方に居住する血友病患者62名。外傷や製剤喪失など直接的被害は約10%であったが、避難環境が困難を増強した。約50%が通院や通勤、関節症状、製剤確保や家庭注射などで困難を経験し、震災 1 年後も約 10%が身体症状や不安・精神的問題を訴えた。血友病ネットワークとして「医療機関」が最も有用であり、「生活周囲」「患者同士」「製薬会社」は有用と同程度に不足と感じられた。ネットワーク状態に関する「患者同士」の良~不良は他ネットワークの自己評価と相関を認めた。今泉益栄・伊藤俊広・三浦 明・早坂広恵・加藤美由紀・森谷恵子・藤野秀一・村上由則