血友病性出血は凝固因子の先天的欠乏による止血困難・遅延である。しかしこの血液学的病理的メカニズム自体が出血を誘発するわけではない。本研究では、1名の血友病患者を対象として、筋力強化や動作改善を含めたリハビリテーションを実施した。その結果、出血原因を明確に特定できない「自然出血」が減少するとともに、歩行距離や階段昇降等の運動・動作も改善した。このことから、欠乏した血液製剤の的確な使用とともに全身の運動動作を安定させ、関節支持機能を強化するリハビリテーションが血友病患者の生活行動上の管理において有効であることが示唆された。