病弱教育・肢体不自由領域を主たる対象とする特別支援教育専攻学生の障害理解促進と、自作可能な疑似的「困難体験」につながる教材開発と、大学等における授業内容・方法に関する一連の実践研究である。本研究では、糖尿病・血友病の自己注射モデルを提示し、その作製・改善とそれを使用した授業経過を分析対象とした。教材は、自己注射実施時の困難・不安・躊躇を「体感」させることを目的としているが、作製過程そのものが、学生による困難・不安・躊躇といった自己注射実施を必要とする疾患のもつ障害特性の理解を促進することが推察された。村上由則・大江啓賢・菊池紀彦・八島 猛