身体成長と血友病性出血の悪循環
血友病患者では、思春期・青年期に出血の悪循環に陥ることが一般に多い。その要因として、アドヒアランスの低下とともに、身体成長との関連が想定されるが明確になっていない。本研究では、成長指標である身長の伸び等との関連を5名の患児において検討した。その結果、成長加速期の翌年に最も出血頻度が高く、しかも特定の関節に集中する悪循環が発生することが確認された。成長加速現象による運動・動作にかかわる身体システムの不安も出血頻度の上昇に関与していることが明らかになった。
特殊教育学研究,23(4),pp.1-15.