わが国における小児血友病患者群(6-15歳)と健常男児群におけるQOL調査結果の検討
厚生労働科学エイズ対策研究事業「血友病の治療とその合併症の克服に関する研究」・分担研究「血液凝固異常症のQOLに関する研究」平成26年度QOL調査報告書.43-56.
血液凝固異常により関節内出血が頻発し、身体障害状況を呈することが多い血友病男児と同年齢の健常男児において、成人用SF-36(健康関連QOL)を参照して作成したQOLアンケートの結果を比較検討した。その結果、健常男児と比較する小児血友病患者のQOLは、効果的な治療法が開発された現在においても依然低いことが明らかとなった。特に重症・中等症では、出血しやすい関節や不自由に感じる関節、インヒビター、後遺症がある場合は、QOLを大きく低下させる要因となっていることが確認された。瀧正志・長江千愛・村上由則