本稿では、漢字の読みは年齢以上の力があるが、漢字の書きが苦手な聴覚優位な児童について、諸検査によりアセスメントを実施し分析した。その分析結果をもとに、指導目標を立て、聴覚法を用いた漢字かるたと視知覚学習としてジオボード教材を自作し、漢字学習指導を行った。その結果、書くことができなかった漢字が書けるようになったり、書くことができていた漢字の形が整ったりなどの変化が見られた。さらに、児童自ら漢字を構成要素にわけて覚えようとするなど、学習の仕方に変化が見られた。最後に、成果の要因と指導内容・方法の適切性を考察した。
総p.75pp.47-55