発達障害のある男児4名を対象に、問題とされる行動の改善を目的としたソーシャルスキル・トレーニングプログラムではなく、参加児童らが互いにかかわりを持ちながら継続して自発的に参加できることを目的としたプログラムを作成した。その目的のために、プログラムの内容とかかわり方、教材の提示方法に工夫を加えた実践を行った。プログラム実施後の児童の変容について、保護者の視点からソーシャルスキル尺度と記述式アンケートを用いて家庭・学校での場面における評価を行った。その結果、特にセルフコントロールスキルについて改善が見られた児童が多く、質的には家庭や学校で問題とされる行動が改善されていることが示唆された。児童の変容の要因と小集団ならではのかかわりのメリットについて考察した。
総p.130pp.35-50