発達が気になる子どもの保護者支援として、本学で開催している全3回の短縮版ペアレント・トレーニングについて、保護者のホームワーク実践内容から効果を明らかにすることを目的とした。対象は協力が得られた保護者32名、ほめた回数については単純集計、ほめた内容と感想については質的記述的に分析した。検討した結果、保護者が子どもをほめた平均回数は4.0回/日、目標である5回/日の割合は54.8%と最も高かった。保護者がトレーニング通りに子どものよい行動を表現したほめ方ができた割合は86.6%であった。一方、10.1%はほめることが困難であることが推察され、個別の支援を継続していく必要があると考えられた。保護者のほめ方が変化したケースから、本学の短縮版ペアレント・トレーニングの効果が明らかになった。子どもの状態や表情として、嬉しそう・誇らしい表情・照れている・拍手・スキップ・よい行動が続いた・自慢などがみられた。保護者の感想から、保護者の自己評価が向上し、子どもの行動の改善に気づき、嬉しさや驚きを感じていることが明らかになった。