軽度発達障害のある子どもの母親27名を対象として、保護者支援において紹介している、母親と子どもが二人きりで好きな遊びをするスペシャルタイムの効果を検討した。結果および考察として、事前説明は工夫した表現があったが、時間を事前に設定することは困難であった。また、説明後、子どもは「喜んだ」「嬉しそう」のほか、よい行動が引き出される効果があった。内容は、子どもの年齢や好みなどにより様々であったが、母親が知らない遊びでも、子どもの成長を知る機会となり、心からほめることができる効果があった。さらに母親は、スペシャル感を表すものの作成や、ふだんとは異なる時間や場所、兄弟を母親や父親に預けるなどの工夫をしていた。子どもは、したことのないよい行動がみられ、自慢したいほど貴重な出来事であった。時間は15分が適切であり、母親がこれまで本気で遊んでいないことに気づく、子どもらしさ・かわいさ・成長を感じる効果がみられた。
総p.42pp.17-21
富澤弥生・鈴木千明・氏家享子