学校で暴言等がみられる発達障害児に対し、スクールソーシャルワークを実践し、短期的に改善した一事例から支援のあり方について考察した。発達障害児をとりまく環境に目を向け、全体を捉えた上で、学級担任への介入を行った結果、介入後1ヶ月で学級担任への暴言・暴力がなくなり、毎日登校し落ち着いて穏やかに過ごせるようになった。また、その半年後には学校全体で対象の児童にかかわる体制ができ、継続的に対象の児童が安定して過ごすことができているのを確認した。事例は、発達障害児だけでなく、その家族も様々な課題を抱えている状態にあった。考察では、学校での状況、家庭内での状況、地域での状況についてふれた上で、スクールソーシャルワークを実践する際の視点について述べ、発達障害児への支援のあり方について考えを述べた。
総p.189pp.3-13
氏家享子・鈴田泰子