両手関節同時動作の運動方向の影響について、垂直軸上(垂直方向)の両手同時動作反応時間における空間的方向と筋の組み合わせの影響について検証した。プログラム説では説明できないことが明らかとなり、本実験の結果は、運動方向よりも伸筋/屈筋、利き手/非利き手の分化から説明ができた。両手同時動作の反応時間に影響を与えているのは、発達的にみた左右非対称性、屈筋から伸筋への発達などが関連していると言える。逆に身体軸に対して対称性の同時動作の特異性を浮き彫りにする結果となった。
pp.21-27
稲垣成昭、佐直信彦