「書評 西山詮『民事精神鑑定の本質』」
我が国の精神鑑定の権威が、省略なしの3事例、3鑑定書、1鑑定書補充書、1補充鑑定書を掲げ、鑑定資料から証拠(史料)を丹念に拾い上げては、精神医学の学理に従って首尾一貫した論を組み上げるプロセスを提示し、事例ごとの緻密な考察、民事精神鑑定上のエッセンス、更には認知症や意識障害の診かたまでを懇切丁寧に説いた本書は、日本の精神鑑定の水準を上げることを念願して書かれた必読の書である。
精神医療 vol.82 2016