脳のレジリエンスと身体療法‐薬物療法とECTの目指すもの‐
吉冨製薬社内勉強会
ECTは未だに作用メカニズムが明らかではないが、けいれんという侵襲を与えることで脳の逆制御・自己制御を誘発し、レジリエンス・メカニズムを活性化する治療であり、一方、脳内の受容体に選択的に結合し、その可塑性を介して効果を現す向精神薬も、脳のレジリエンスを損傷しない点で価値が高い。精神科の治療は、物理化学的であれ心理社会的であれ、脳のレジリエンス(可塑性)を活用して、窮極的には脳の自己制御を誘発するような治療的侵襲を目指さなければならないことを述べた。