ナラティブ・アプローチにより脳血管障害患者の入院時と退院時の思いを明らかにし、回復意欲を支えるために有用であるかを検討した。入院時は、発症時の振り返り、先行きの不安、リハビリの欲求、家族や周囲の支え、回復への意欲、辛い症状についての語りであった。退院決定後は、発症時の振り返り、心配なこと、家族や周囲の支え、意欲・希望、医療者への期待・感謝の語りであった。いずれも経過を振り返り、抱えている不安や心配を表出し、その後どのように対処して行こうとしているかを患者自らが語っていた。
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中村令子、石鍋圭子、藤田あけみ、野宗万喜、渡邉知子 他